そのクリスマスパーティーは盛り下がっていた
クリスマス。
世の恋人たちが聖なる日の雰囲気に酔いしれている頃、とあるアパートの一室で開かれていたクリスマス会は盛り下がっていた。
非リア充たちの集まり。
自分たちの集まりに、自虐的な名前をつけて早10年。
この10年間、会の参加者は毎年自分たちの会を楽しんでいた。
しかし今年はみな黙々と目の前の食べ物を口に運んでいた。
この重苦しい空気の中、参加者の一人が口を開いた。
「そろそろお開きにしますか……?」
会の主催者は答えた。
「そういうわけにはいかない。この中には裏切り者……リア充がいる!」
この言葉を聴いて参加者たちはお互いの顔を確認し合った。
「リア充を帰してはいけない。裏切り者を恋人とあわせてはいけない」
非リア充とリア充の長い夜が始まってしまったのである……。
……という人狼ゲームの亜種を考えた。
人狼陣営はもちろんリア充
村人は非リア充
このゲームの特徴は通常の人狼ゲームのように人狼(今回のリア充)を村の会議で吊し上げる(退場させる)のが目的なのではなく、リア充を最後まで残すところにある。
非リア充たちが次々に退場する中、はたしてリア充は「非リア充」の仮面をかぶって無事に恋人の下へ行けるのだろうか!?